(2004年10月17日・記)

三軒茶屋のシアター・トラムへ白井晃演出の舞台「溺れた世界」を見に行く。
見に行った理由は演出が白井晃だから………、ではなく、昔から大好きな女優・つみきみほが出演しているから。

で、感想ですが、かなり独特な舞台でした。
舞台上には大掛かりなセットもイスや机といったものもなく、ただ4人の出演者だけが存在。台詞も通常の芝居のように掛け合うシーンはあまりなく、独白(モノローグ)が中心。
正直、最初は見ていてかなりきつくて、ちょっと後悔も感じた。でも、ストーリーも登場人物の人間関係もシンプルなので、20〜30分ほどして世界観がつかめると、話の中にすーっと入ていけた。



市民と非市民に分断された世界。市民は醜く、非市民の美しい者が放つ「輝き」を恐れ、彼らを抑圧し、迫害し、そして世界を支配している。市民であるダレンは、その社会を嫌悪し、いつか自分を救いに来る天使が現れることを願って、部屋に閉じこもっている青年。そこに、一組の美しい女と男が現れる。市民に追われた非市民の女性ターラとその恋人ジュリアンだった。ダレンはターラこそ自分を救いに来た天使だと信じ、2人をかくまう…………


つみきみほは、支配側の人間で市民をかくまう者を探るケリーという女性役。市民を狩る側でありながら、「輝き」に魅了され、自分の存在に疑問をもち、ダレンの愛を得ようとする複雑な役を好演していた。長台詞にちょっと舌が回りきらない箇所もあったけど……、それは愛嬌ということで(苦笑)。
初舞台というターラ役の上原さくらもなかなかの熱演でした。正直、上原さくらがこんなにもやるとは思わなかった。

とっつきやすい作品ではないものの、見て損はなし!……と言いたいのだけれども、5,500円というチケット代は正直、高くないかい?
役者陣が有名どころばかりとはいえ、日曜日の公演で空席が結構あるというのは、そのあたりが原因だと思うのですが……。